2024年5月11日放送 22:00 - 22:30 テレビ東京

新美の巨人たち
【豪華絢爛!「金屏風とライブペインティング」×高島礼子】

出演者
 - 
(オープニング)
今回は…

今回は金屏風とどの衝撃のドラマを紹介。

オープニング

オープニング映像。

新美の巨人たち
「屏風」というキャンバス 変幻自在の美意識

屏風は日本古来のインテリアとして風よけや間仕切りに使用されてきた。やがて実用品の枠を超えて絵師たちが腕を競う日本美術の檜舞台になっていった。画面いっぱいに舞い踊る扇はめでたきことの象徴としたものなどがあるがその頂点にあるのは金屏風。神奈川県小涌谷にやってきたのは高島礼子。岡田美術館にやってきたがここで眩しいまでの展覧会が開催されている。金屏風の祭典 ―黄金の世界へようこそ―では金屏風が全28点。全てが光り輝いている。春夏花鳥図屏風は狩野派の絵師による豊穣なる情景。この展覧会で最も古い桃山時代の金屏風。ひときわ目を引くのは木々と山々の間にたなびく黄金の雲。その力強さを生むのが金運のどっしりとした質感。胡粉という貝殻を粉にした絵の具を輪郭部分に盛り上げ、そのあとで金箔を押すことで雲がくっきりとしている。また金屏風には格別の意味がある。岡田美術館の小林忠さんは古い屏風がきれいな状態で保たれていたのは滅多に使わなかったためで、晴れの丁度品として日本の室内はそう明るくはなく、晴れの儀式に並べられた金屏風が室内空間を明るく華やかに装う美しい反射板という効果もあったという。そして戦国時代に織田信長や豊臣秀吉らきらびやかさを愛した武将たちが好んだことで金屏風は大いに発展。

キーワード
俵屋宗達四季花鳥図屏風小涌谷(神奈川)尾形乾山岡田美術館扇面散図屏風春夏花鳥図屏風石山寺縁起絵巻織田信長誰ヶ袖図屏風豊臣秀吉金屏風の祭典 ―黄金の世界へようこそ―

金屏風の超大作の二条城行幸図屏風。描かれた人物の数は1322人でひとりひとり出で立ちや表情も細やかに描かれ建物や丁度品まで精緻に描写されている。寛永3年の9月に時の後水尾天皇が二条城に行幸した際の行列で特筆すべきは、京のまちなみや見物する群衆を描かずに金粉によって隠している。その華やかさだけを描くという美意識。左隻には二条城の様子が描かれ、到着した天皇は顔を御簾で隠し、居並ぶ大名の中には徳川幕府の徳川秀忠の様子も。右隻には将軍の家光を始め参内する大名たちの行列が。その中には伊達政宗の姿もあるという。また岡田美術館の壁には風神雷神の金屏風が。縦12m横30mの風・刻という作品は琳派の開祖の俵屋宗達の風神雷神屏風をモチーフにした巨大壁画。描いたのは気鋭の日本画家の福井江太郎さん。仕上げるのに5年かかったという。福井さんが目指したものは400年経過した宗達の絵を描いたというが、金箔に汚れを描き、時の経過を表現した。福井さんの代名詞はライブペインティング。観客を前にして即興で描いていくがかつては葛飾北斎ら、腕に覚えのある絵師たちが行っていたパフォーマンスだという。

キーワード
二条城二条城行幸伊達政宗俵屋宗達前田利常岡田美術館島津家久後水尾天皇徳川家光徳川秀忠葛飾北斎[初代]風・刻風神雷神屏風

そのライブペインティングでは8枚のパネルに緊迫をはりつけ、衝立に設置。縦3尺横2間の金のキャンバスに15分で絵を描くという。使用する顔料は青と緑。まずは筆は使用せず手に直接絵の具をつけてそのままキャンバスへ。手で描いていくが指で青の色で表現したのは花菖蒲。福井江太郎の祖父は福井江亭。明治の円山派を代表する川端玉章を支持した画家だった。また父は洋画家で画家一家の4代目として生まれた。しかし本当に好きで絵を描いているのかわからなくなり、その葛藤でバレエや演劇に打ち込んだこともあった。その得意とするモチーフはダチョウ。日本画の枠に問わられないユニークな画法は高く評価され国内外問わず精力的に活動している。

キーワード
ニューヨーク(アメリカ)バイエルン州(ドイツ)川端玉章福井昭雄福井江亭

日本美術史上最も金を使いこなした絵師は琳派の尾形光琳。琳派の歴史の中で最も美しいと言われているのは菊図屏風。大輪の花がゆっくりとしたリズムで右から左へ、胡粉を盛り上げ描かれた花弁が力強い。使用された色は白、緑、黒のみで色彩が黄金と響き合い、輝きを一層際立たせている。小林さんは福井さんを令和の光琳と言っても過言ではないと語る。福井さんのライブペインティングでは爪を使って絵を描いていく。中指の爪を使って花弁に線を入れていくがメリハリが加わることで浮き立つ。こうして花ができあがり、残り時間わずかの中で筆で描き、緑で草をしなやかに伸びやかに描いていく。こうして花菖蒲が完成した。完成した作品を高島が「凛」と名付けた。青と緑が黄金の中にあり、奔放に花が咲き、一気呵成に書かれた茎と葉と筆の躍動感がある。15分14秒で描きあげた。

キーワード
尾形光琳菊図屏風風・刻

福井江太郎が描いた「凛」は四曲一双の屏風となり、角度がついて奥行きがついて複雑な光を発して花もリズミカルに響き合う。高島は今回の感想に貴重な体験をさせてもらったと答えた。

キーワード

(エンディング)
次回予告

「新美の巨人たち」の次回予告。

(番組宣伝)
スポーツ リアライブ

「スポーツ リアライブ」の番組宣伝。

© 2009-2024 WireAction, Inc. All Rights Reserved.