鈴鹿さんは上京後、映画「蜜蜂と遠雷」で俳優に進む覚悟を決めた。この作品で様々な賞を受賞した。松岡茉優との共演シーンでピアノを連弾する場面は今でも見返すそう。自分には持っていないものを経験できたことが楽しく、思い出深いと語った。監督・石川慶さんは、このシーンには強い思い入れがあるそうで、弾くところでコミュニケーションをとっていて、ピアノを使ったダイアローグになっているという。本当は2日ぐらいで撮る予定だったが、現場の空気も高揚してきてスタッフも一緒に弾いている感じで朝までかけて撮影し、石川さんもいまだに見返すという。また、石川さんは鈴鹿さんにあてぶりでいいと言っていたところ、鈴鹿さんが弾けるようになっていたことに驚きが隠せなかったと明かした。スタジオには当時練習していた楽譜を用意し公開した。ピアノを弾けなかったため、ロゴのどこに指があるかなども楽譜に書き込んでいた。石川さんはさらに、鈴鹿さんに対しては親戚のような感覚も持っていて、鈴鹿さんが違う人の映画やドラマでいい芝居をするとジェラシーもあり、毎回鈴鹿さんにやってもらいたいと思っても鈴鹿さんの成長が早く「央士くんもっと先に行っているな」と思う事が結構あると語った。