NHKでは国民審査の情報を特設サイトでも伝えている国民審査は裁判官にとって重要な意味があるということだが、もちろん私たちにとっても重要な意味がある。最高裁は私たちの暮らしにも大きな影響のある重要な判断を重ねてきている。例えば2015年には女性にだけ離婚後6ヶ月間再婚を禁止していた民法の規定を憲法違反だと判断、翌年には法改正も行われた。また去年には行政が行った生活保護の支給額の引き下げは違法だと判断して取り消した。前回の選挙で罷免率が高い結果になったかについて、制度に詳しい明治大学の西川伸一教授はSNSの発達や各メディアのウェブサイトにより、これまでより個々の裁判官の情報が集められるようになったことで関心が高まったのではないかと分析している。最高裁には15人の裁判官がいて裁判官、弁護士、検察など5つの出身母体から構成されている。国会議員が選挙で選ばれるのとは違って最高裁の裁判官は内閣が任命する。そのため、任命されたあと初めて行われる衆議院選挙のタイミングで国民による民主的なチェックを聞かせようというのが国民審査。今回は前回の衆議院選挙以降新たに就任した2人が対象で、去年3月に就任した弁護士出身の高須順一氏は主に市民の相談を受けるいわゆるマチ弁として活動してきた。もう一人は去年7月に就任した学者出身の沖野眞巳氏。民法の研究者で女性初の東京大学法学部長からの転身となる。2人が関わってきた注目の裁判の例もサイトでまとめており、例えば高須裁判官は衆議院選挙のいわゆる1票の格差を巡る裁判で。他の3人が合憲と判断する中、1人だけ違憲状態だと判断した。一方沖野裁判官は東京オリンピックをめぐる汚職事件や御嶽山の噴火をめぐる裁判などに関わっている。有効投票のうち罷免すべきという票が過半数となれば罷免されることになるがこれまでの審査で罷免された例はない。ただ西川教授は国民審査の意義について「司法権に対し国民のコントロールを利かせ緊張感を与えることができる唯一の機会なので、一人一人が何かしら自身の基準を持って投票をしてほしい」と話している。
