袴田巌さんが再審、やり直しの裁判で無罪判決が確定したことを受け、最高検察庁は長期間に及んだ再審請求の手続きや当時の捜査の問題点について検証し、きょう結果を公表した。それによると捜査段階の取り調べが“非人道的だ”と指摘されたことについて“検察官が袴田さんを犯人であると決めつけたかのような発言をしながら自白を求めるなど、供述に真摯に耳を傾けたものとは言えなかった”としている。また再審請求の手続きで検察が証拠の開示に応じず審理が長期化したことについて、当時は通常の刑事裁判でも証拠開示の制度がなかったことを挙げて“当時の状況では検察官の対応に問題があったとは認められない”としている。その一方で、有罪の決め手とされた5点の衣類の写真やネガフィルムについて“1990年に弁護側から開示の求めがあった段階で探していれば早期に発見して提出できたかもしれず、審理が進んだ可能性はある。検察官が存在を認識していなかったネガや取り調べの録音テープがあとになって発見されていて証拠の保管や把握が不十分だった”とした。また、こうした問題点を踏まえた今後の対応について“証拠開示の求めに対して統一的な方針に基づき適切に対応する”などとした。