城崎温泉は風情あふれる温泉街。醍醐味は外湯巡りで、町が一つの旅館のように観光客をもてなす。100年まえに北但大震災が起きる。木造の建物が密集する城崎で火災が起こり、約8割が全壊または全焼し、270人以上が亡くなったとされている。湯はかれずに湧き続けていた。災害当時の町長・西村佐兵衛は町の人々を励ました。復興二向け町の人たちが大切にしたのは住民主体の復興だった。全焼した神社の境内で行われたのは町民大会。地面にむしろをしき今後の復興計画について数十回議論したという。旅館やお店が共存しにぎわってきた町のあり方を大切にした。一方で災害につよいまちづくりも行われた。駅などの公共建築や橋は鉄筋コンクリートで造り地震に備える。火災や洪水対策として道幅や川幅を広げた。そのために町の人たちは土地の1割を無償提供した。住民主体で進めた震災からの復興は自分たちの手で町を守るという意識を高めた。先月5日に発生した火災では拡張された道路に多数の消防車が集結、消防団も80名以上がかけつけて消火活動にあたった。現場にかけつけた西村総一郎さん。西村さんら城崎の人々は今、住民主体で町の未来を話し合っている。取り組んでいるのは北但大震災100年に合わせたプロジェクト。町の交通のあり方や持続可能な医療などを議論している。