来月公開される映画「35年目のラブレター」。幼いころから文字の読み書きができない夫が長年支えてくれた妻に感謝の手紙を書きたいと、夜間中学に通い始めるというストーリー。この映画のモデルとなったのは奈良市の西畑保さん、皎子さん夫婦。60歳を超えてから読み書きを学んだ保さんが妻の皎子さんへ宛てたラブレター。寄り添い、支え合ってきた夫婦の歩みを見つめる。保さんは、いじめが原因で小学2年生から学校に通えず、ほとんど読み書きを学ぶ機会がなかったという。10代後半からは、すし職人として働き始めたが読み書きができないことで悔しい思いを何度もしてきたという。仕事が安定してきた35歳の時、お見合いで出会った皎子さんに一目ぼれして結婚。しかし、読み書きができないことを皎子さんには打ち明けられなかった。結婚生活が始まり半年が過ぎたある日のこと、サインが必要な回覧板に名前を書けずにいた保さんの様子に皎子さんが気付く。そこで初めて読み書きができないことを打ち明けた。それ以来、皎子さんは銀行で書類を読み上げたり、子どもが産まれた時は出生届を書いたり、いつも隣で保さんを支えてくれた。皎子さんへ、感謝を伝えたい。保さんは手紙を書こうと思い立つ。
定年退職後の2001年春、読み書きを学ぶため保さんは65歳で夜間中学に入学した。週に5日、勉強を続け妻の名前も漢字で書けるようになり、学校へ通い始めて7年目のクリスマスに皎子さんへ初めて手紙を書いた。1文字1文字丁寧に書いた便せん7枚にわたるラブレター。それから毎年のようにクリスマスに合わせ手紙を贈った。しかし2014年のクリスマスの直前、皎子さんが病気で突然亡くなった。書き上げていたその年のラブレターは渡せないまま棺に入れた。皎子さんの遺品の中には、これまで保さんが送った手紙が大切に残されていた。心を通わせ支え合ってきた2人の歩み。
定年退職後の2001年春、読み書きを学ぶため保さんは65歳で夜間中学に入学した。週に5日、勉強を続け妻の名前も漢字で書けるようになり、学校へ通い始めて7年目のクリスマスに皎子さんへ初めて手紙を書いた。1文字1文字丁寧に書いた便せん7枚にわたるラブレター。それから毎年のようにクリスマスに合わせ手紙を贈った。しかし2014年のクリスマスの直前、皎子さんが病気で突然亡くなった。書き上げていたその年のラブレターは渡せないまま棺に入れた。皎子さんの遺品の中には、これまで保さんが送った手紙が大切に残されていた。心を通わせ支え合ってきた2人の歩み。