これまで受刑者は再犯の可能性で分類されていたため、暴力団員の受刑者と無銭飲食常習者が同じ環境で服役していた。拘禁刑の処遇になると、年齢や障害などの特性、罪状などを総合的に評価して社会復帰に必要な指導を行うことになる。学習機会や就労経験の不足、対人スキルの乏しさなどが犯罪の原因にある特性を持つ暴力団員は職業訓練やコミュニケーション能力向上のための指導を、認知症や身体障害の問題などが犯罪の原因にある無銭飲食の常習者は認知・身体機能を維持・向上するための作業を行う。柳澤は「最近、刑務官と受刑者の間で互いに呼び合う呼び方もこれまでのような形ではない形に変わってきていると聞いている。刑務所の中にいる時に服役後を前提にした対応をしておかないと、出所して一から始まることでは社会復帰をさせるための意味合いがない」、中室は「被害者の気持ちを考えると加害者に厳罰を科してほしいというのは察して余りあるお気持ちだと分かるが、学術研究の結果を見ると刑罰を厳罰化することが再犯の低下に因果関係が明確に見られないというコンセンサスになっている。再犯のために重要なのは検挙の確実性と社会復帰支援をちゃんとやること」などとコメントした。
