- 出演者
- 島本真衣 大下容子 松尾由美子 佐々木亮太 中室牧子 水越祐一 柳澤秀夫 仁科健吾 浦林凜
オープニングの挨拶。
今年1月、福島・郡山市で大学受験で大阪から訪れていた19歳の女性が信号無視をした車にはねられ亡くなった事故。車を運転していた池田怜平被告は事故当時、飲酒運転の状態だった。裁判で争点となったのは信号無視が故意か過失かという点。池田被告は法廷で「記憶がない」と繰り返した。弁護側は眠気に襲われ目をこするなどして赤信号を見落とした過失運転にとどまると主張。一方の検察側は信号表示に従うつもりがなかったと指摘。下山洋司裁判長は「信号表示を意に介することなく、無視して進行しようと考えていたものと認められる。危険運転致死傷罪が成立する」として、池田被告に懲役12年の実刑判決を言い渡した。これを受け、被害者の母親は弁護士を通じ「あまりに刑が軽いと思う。今後、危険運転の罪についてはさらなる厳罰化を望むとともに、私たちのような悲しい思いをする家族が出ないことを切に願う」とコメントした。ジャーナリスト・柳澤秀夫は「被告の身勝手な行動で未来が一瞬で壊されてしまったとお母さんは言っているので、娘は殺されたという気持ちを重く受け止める必要がある」とコメントした。
オープニング映像。
沖縄・本部町の空の様子を中継映像で伝えた。
アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は政策金利を0.25%引き下げることを決めた。利下げは6会合ぶりで、現在のトランプ政権では初めて。FRB・パウエル議長は「失業率は低いものの上昇している。雇用の伸びは鈍化し、雇用への下振れリスクが高まっている」と述べた。FRBは雇用情勢を懸念し、景気を下支えするため政策金利を0.25%引き下げた。年内残り2回の会合でも利下げする見通し。会合では利下げを求めるトランプ大統領が指名し直前に就任したミラン理事が0.5%の大幅な利下げを要求。トランプ氏の影響力が強まっている。今回の判断にトランプ大統領の利下げ圧力がどう影響したか、はっきりしないが、FRBはインフレの懸念より雇用を重視した形。米国野村証券シニア・エコノミストの雨宮愛知氏は「過度に利下げすると来年以降、またインフレが再燃するという可能性は十分高まってくると思う。FRBに対してトランプ大統領の影響力が増すと物価の万人としてのFRBの信認が落ちるので、インフレ期待もどんどん上がってしまうという事態がリスクとしてある」と話した。
FRBの利下げが消費や投資を刺激し、インフレが加速するという懸念が広がっている。トランプ関税による物価の押し上げが徐々に広がっている。8月のアメリカの消費者物価指数でコーヒーは関税などの影響から前年同期比で約21%上昇。利下げでインフレが加速した場合、利益率が低いカフェが経営困難になるとの懸念が出ている。消費者からは「関税とインフレのダブルパンチでいくら節約しても生活が立ち行かない」と、トランプ政権を批判する声も上がっている。
東京・渋谷の中継映像を背景に全国の気象情報を伝えた。大雨警報が秋田県、岩手県、山形県、新潟県、富山県に出ている。
自民党総裁選の告示まであと4日。選挙管理委員会はきのう、候補者による共同記者会見や東京、愛知、大阪での演説会の日程などを決定。自民党総裁選は5人で争われる見通し。候補者たちの動きも本格化している。支持拡大を目指す小林鷹之元経済安保担当大臣は議員事務所を回って支援を要請。一方、茂木敏充前幹事長は東京駅近くのオフィス街にある認定こども園を視察し、施設の職員らと意見交換を行い、「個性を尊重した幼児教育や保育を進める中で課題もあると伺った。物価に連動して賃金がきちんと上がっていく状況をつくっていきたい」と述べた。小泉農水大臣は石破総理のもとへ向かった。
自民党総裁選をめぐり、きのう石破茂総理大臣に出馬の意向を伝えた小泉進次郎農林水産大臣は「地方の経済、防災庁、農政、こういったものはしっかりと引き継いで、総理がおっしゃったように巻き戻らないように、この方向性を進めたいと思う」と述べた。小泉大臣は20日に出馬会見を行う方向で調整している。また、林芳正官房長官はきょう午後に出馬会見を行う予定。高市早苗前経済安全保障担当大臣は有力候補の1人と目されながら表立った動きを見せてこなかった。高市氏に関しては11日、総裁選への出馬に必要な推薦人20人の確保にめどがついたとされている。おととい、高市氏は関係者らに向け「保守をしっかり取り戻す」と述べたというが、メディアに対しては沈黙を守っていた。きのう、高市陣営の会議が行われ、きょう午後、本人が出馬の意向を表明する方向になった。これまで身を潜めてきたかのような高市氏の思惑とは。
きょう、総裁選に出馬する意向を表明する見通しとなった高市早苗氏が沈黙を続けてきた狙いはどこにあるのか。政治部与党キャップ・澤井尚子記者によると、知名度はすでに十分だとして慌てて表に出る必要がないと考えている。水面下では高市氏も電話かけを行うなど支持を広げるために動いていたとみられる。去年の総裁選で高市氏は1回目の投票で党員がトップ、議員は72票だったが、決選投票になると議員票で差をつけられてしまった。高市氏は後ろ盾がいないのが弱点。麻生太郎元総理に支持してほしいと期待しているとみられるが、高市氏の減税政策などに麻生元総理が慎重な姿勢を持っているため、支援が得られるか分からない。さらに“強すぎる保守色”が支持拡大の障壁になっているという指摘もあり、高市陣営は極右という誤解は解きほぐす必要があり、高市氏は保守中道と話している。政府関係者によると、モデルはイタリア・メローニ首相だという。ジョルジャ・メローニは極右政党の出身で、政権を取り現実路線へ転換し穏健保守。トランプ大統領と親しい関係を築くなどリーダーとして高い評価を得ている。周囲は高市氏が総理になれば現実路線で政権運営を行うと期待している。慶応大学教授・中室牧子は「候補者が政策を披露する中で一番注目しなければいけないのは経済政策。参議院選挙の時も給付か減税か分配面の話が中心になったが、国民の分断を煽るだけ。成長する経済、賃上げが実現される経済にしていかないといけない」などとコメントした。
刑法が改正され今年6月、115年ぶりに新たな刑罰「拘禁刑」が施行された。拘禁刑の導入で刑務所はどう変わるのか取材した。
若者を中心とした激しい抗議デモが続き、政権が崩壊したネパール。12日、スシラ・カルキ氏が暫定首相に就任し、15日には内相など主要閣僚3人も就任した。ネパールは若者の失業率が20%を超え、毎日2000人以上が職を求め国を出ているとされる。(時事通信)。そうした若者たちの不正などに対する怒りが政府のSNSの禁止措置をきっかけに爆発。一部が国会議事堂などを襲撃し、警察との衝突で72人が死亡、2000人以上の負傷者が出る事態となった。オリ首相が辞任し、事態収拾に乗り出した軍がデモを主導した若者らの代表と会談。若者らの推薦で推薦でスシラ・カルキ氏が暫定首相になった。カルキ氏は73歳。2016年から2017年にかけて女性として初めて最高裁長官を務め、政府の汚職に立ち向かったことで知られている。カルキ氏の助言を受け、ポーデル大統領は下院を解散。来年3月に総選挙が行われる見通し。カルキ氏は新政権移行まで暫定首相を務めることになる。
反政府デモによって9日、オリ首相が辞任を表明したネパールでは通常大統領が指名し議会が信任投票を行うが、国会議事堂などが襲撃を受け政治機能がまひしていた。治安維持に乗り出したネパール軍が若者が中心となったデモ主導者に暫定首相の候補者推薦を依頼。(ニューヨーク・タイムズ)。軍司令官の仲介で大統領とデモ主導者が協議を行い、暫定首相にカルキ氏が任命された。(BBC)。若者たちが暫定首相を選定のためにチャットアプリ「ディスコード」を活用。「ディスコード」は2015年に開発されたゲーム用チャットアプリ。(ABPニュース)。今回の抗議活動の呼び掛けもSNS規制があった中、若者たちは規制をかいくぐる方法を使ってアプリに接続し、ディスコード上で行われた。(ロイター通信)。新たな首相を選ぶためディスコードでバーチャル会議が開かれ、14万5000人以上が参加。投票によってカルキ氏が選出された。結果について、カトマンズ出身の若者は「今やネパール会議はディスコードだ」と表現している。(ニューヨーク・タイムズ)。新たな閣僚3人も若者らの推薦によって選ばれ、いずれも国会議員ではなく元閣僚や弁護士。(時事通信)。一方で、SNSでの政治に懸念の声も上がっている。社会運動におけるテクノロジーの役割を研究する専門家は、前例のないこととしたうえで「『長期的に安定した政治構造』を構築するという点ではSNSはそれほど成功していない」として、その能力に疑問を呈している。(ニューヨーク・タイムズ)。慶応大学教授・中室牧子は「ディスコードを使って政治をやる一つ良いところは意思の可視化と集約が短時間でできる。一方で、本人確認の仕組みがないとSNS上の世論はボットや動員で左右されやすい」、ジャーナリスト・柳澤秀夫は「これまで力を持つことができなかった人たちがSNSを政治的な道具あるいは武器として自分たちの思いを表現する方向に行くことは全面的に否定するものじゃないが、一番の問題は実像が見えない」などとコメントした。暫定政権発足後、来年3月に総選挙が行われる。
今年6月、115年ぶりに刑法が改正され、新たな刑罰「拘禁刑」が施行された。これまでは決まった刑務作業が義務の懲役と刑務作業の義務がない禁錮の2つの刑法だったが、これを一本化したのが拘禁刑。1907年の刑法制定以来初の大改正で、刑務作業が全員一律ではなくなり、更生・再犯防止のために受刑者の特性に合わせた作業を行う形に変わった。施行されたばかりで拘禁刑で服役している受刑者は少ないが、一部で試験的に導入している刑務所がある。拘禁刑施行で刑務所がどう変わるのか取材した。
山梨県の甲府刑務所には現在、刑期10年未満の男性受刑者約380人が収容されている。刑務所では受刑者は原則、刑務官の許可なく言葉を交わすことも移動することもできない。拘禁刑を想定した処遇の受刑者は他の工場とは違い、刑務官の許可がなくても受刑者同士の話し合いを基に自分で判断して刑務作業をしている。担当刑務官は自分の提案が受け入れられることで自己肯定感を育む効果があるという。拘禁刑を想定した処遇を担当・海老本刑務官は「自主性をより重んじて、自ら何ができるかということを考えて取り組んでいる」と話した。こうした取り組みは刑法改正で6月から施行された拘禁刑に対応するためのもの。拘禁刑とはこれまでの「懲役」と「禁錮」を一本化し、社会復帰に重点を置いた新しい刑罰。刑罰の変更は115年ぶり。対象になるのは6月1日以降に発生した事件において、裁判を経て判決が確定した受刑者。甲府刑務所では懲役刑の受刑者の一部に対し、拘禁刑を想定した処遇が取られている。拘禁刑の受刑者は年齢や障害、国籍などによって24のグループに分けられる。これまで懲役刑の受刑者は刑務作業が義務だったが、拘禁刑では特性に応じて刑務作業の割合を調整し社会復帰に必要な指導を行う。甲府刑務所・中村大和総務部長は「その人の持つ問題製を除去してあげて社会に戻してあげることを目指す。そうすることによって再犯がなくなれば、結果的に社会の安全が保たれるという考え方」と話した。
刑罰変更の背景には再犯率の高さがある。法務省によると、おととし入所した受刑者のうち、過去にも収容歴がある人は55%。10年ほど前と比べても割合がほとんど変わっていない。また、再犯者の約7割が無職で仕事に就いてもすぐに辞めてしまうなど、社会に馴染むことができず刑務所に戻ってきてしまう。甲府刑務所・中村大和総務部長は「私たちの態度も一般社会に近づけなければいけない。受刑者への接し方も厳しさを持ちつつも可能な限り社会に近づける。受刑者の生活も可能な限り社会に近づける。出所したときにスムーズに生活できるようにしてあげるというのも大事」と話した。甲府刑務所で拘禁刑を想定した処遇の対象となっているのは薬物事犯で服役している8人の受刑者。他者の視点を取り入れて気持ちを言葉にすることに慣れるため、対話を重視した指導に力を入れている。さらに、特徴的な点が刑務官の笑顔。これまで刑務官は受刑者に対して笑ってはいけないと徹底されてきたが、ここでは一般社会と変わらず感情を表に出した接し方をし、共に涙することもあるという。新たな処遇に受刑者は何を感じているのか。試験的に導入された当初からこの処遇に移行して服役している60代の鈴木さん(仮名)は覚醒剤取締法違反の罪で今回が7回目の服役。鈴木さんは「与えられたことだけをやっていれば以前は刑が勤められていた。自分を見つける機会は以前より増えて自分を知るいいきっかけにもなっている」と話した。
これまで受刑者は再犯の可能性で分類されていたため、暴力団員の受刑者と無銭飲食常習者が同じ環境で服役していた。拘禁刑の処遇になると、年齢や障害などの特性、罪状などを総合的に評価して社会復帰に必要な指導を行うことになる。学習機会や就労経験の不足、対人スキルの乏しさなどが犯罪の原因にある特性を持つ暴力団員は職業訓練やコミュニケーション能力向上のための指導を、認知症や身体障害の問題などが犯罪の原因にある無銭飲食の常習者は認知・身体機能を維持・向上するための作業を行う。柳澤は「最近、刑務官と受刑者の間で互いに呼び合う呼び方もこれまでのような形ではない形に変わってきていると聞いている。刑務所の中にいる時に服役後を前提にした対応をしておかないと、出所して一から始まることでは社会復帰をさせるための意味合いがない」、中室は「被害者の気持ちを考えると加害者に厳罰を科してほしいというのは察して余りあるお気持ちだと分かるが、学術研究の結果を見ると刑罰を厳罰化することが再犯の低下に因果関係が明確に見られないというコンセンサスになっている。再犯のために重要なのは検挙の確実性と社会復帰支援をちゃんとやること」などとコメントした。
甲府刑務所では受刑者が塀の外に出るという画期的な取り組みが行われた。甲府刑務所内の畑で作った作物を市内の動物園に寄付する初めての取り組み。受刑者が塀の外に出て直接届けに行く。拘禁刑を想定した処遇を担当・海老本刑務官は「地域貢献や他者貢献、社会貢献という取り組みの中、目標を達成する喜びを知ることが出来たのかなと」と話した。収穫されたサツマイモは約100kg。動物園に届ける役割を任されたのが鈴木さん(仮名)。受刑者が塀の外で活動する異例の試みには慎重な意見も多く、逃走などの事故防止のため多くの刑務官がサポートした。塀の外に出るのは逮捕以来3年ぶりだという。バスから降りる時には手錠や腰紐も外される。終了後、緊張で強張っていた鈴木さんの表情が柔らかくほどけた。刑務所に戻ると他の受刑者への報告と振り返りの時間が取られた。鈴木さんは「園長先生がおいしそうな芋を食べさせてあげるからねーって優しく語りかける光景を見て気持ちがほぐれたので、作ったかいがあると思った」と話した。鈴木さんは1年半を振り返り、懲役刑とは違うものを感じていると語った。
拘禁刑の導入を刑務官たちはどのように捉えているのか。甲府刑務所・中村大和総務部長は「専門性の必要な指導のため正直負担は増える。刑務官たちは時間外の研修で指導方法を勉強している。加害者支援に見えるかもしれないが、将来の被害者を生まないことにつながる」と話した。柳澤は「新たな犯罪者を生まない、被害者も生まないということがここに始まる。刑務官の負担は大変だと思う。始めるのであれば、しっかりした人員、予算の面の裏打ちをしていくことをしないと動かない」、中室は「刑務所は税金でやっているので、どこまでお金をかけてもいいというわけではない。教育や薬物依存の薬物療法などに関しては再犯を下げるというエビデンスもあるので、個人に合った治療や教育をしていくことで再犯を下げ、そのためにお金を使っていくことであれば納税者も納得できるのではないか」などとコメントした。
関東周辺はきょうも夏の太平洋高気圧に覆われ強い日差しが照りつけているため、午前中から猛暑日となっている。東京や横浜などでも35℃以上になると予想されていて、史上最も遅い時期の猛暑日となる見通し。ただ、午後は秋雨前線が南下するため天気の急変に注意が必要。夕方には東京都心でも非常に激しい雷雨となるおそれがあり、夜にかけても断続的に活発な雨雲がかかるおそれがある。道路の冠水などに警戒が必要。