WBC侍ジャパンでは挫折を乗り越えた2人のベテランが世界一を目指すチームを引っ張っている。侍ジャパン最年長、36歳の菅野智之。オーストラリア戦では4回無失点と好投。決勝で先発する可能性のある菅野は「一度も日本一も世界一にもなったことがないので、きっとすごい景色が見えるんだろうな」とコメントした。菅野の野球人生は挫折の連続だった。15年前、夢だった巨人入りが叶わず1年間の浪人生活を決断する。念願叶って巨人に入団した菅野は毎年のように勝ち星を積み重ね“日本最強投手”の名を欲しいままにした。2020年、満を持して菅野はポスティングでのメジャー挑戦を表明するが、交渉が難航し巨人に残留。その後のシーズンで極度の不振に陥り、30歳を過ぎて心にも変化が生じていた。そんな菅野の心に再び火をともす人物が現れる。昨シーズン現役を引退した長野久義だった。アメリカで投げたいという菅野の気持ちを知っていた長野は「智之が(メジャーで)投げている姿を見たい」と話したという。当時のことについて菅野は「まだ自分に夢を見てくれている人がいるだなと思って。そういう人たちのために頑張るっていう、すごく大きな原動力だなって思った」と話した。菅野は再び夢に向かってもがき、立ち向かった。そして2024年についにメジャー挑戦の夢を叶えた。菅野の次の夢は、まだ見たことのない「世界一の光景」。
