公立学校の教員の給与は法律によって残業代を支払わない代わりに一律で月給の4%を上乗せすることになっている。来年度の予算編成で焦点となっている教員給与の上乗せ分の扱いを巡って文部科学省と財務省の間で意見の隔たりがある。引き上げ幅や働き方改革の成果を条件とするかなどが焦点となっていて、あすの閣僚折衝を経て最終的な対応を決める方針。文部科学省は処遇改善は喫緊の課題として一度に13%まで引き上げたいとする一方、財務省は働き方改革が必須として段階的に10%を目指すとしている。現場でも試行錯誤が続いている。東京・墨田区の中学校では生徒の欠席連絡を24時間、自動で受け付けるシステムを導入。テストの採点にはデジタルシステムを導入し、採点の手間を大きく減らした。教員に重い負担となっていた部活動の指導の一部は地域のスポーツクラブの指導員に担当してもらっている。削ることができない業務は生徒への対応。関係者によると2つの省は時間外勤務の削減などの条件を付けずに、現在の4%から6年後の2030年度までに段階的に10%に引き上げる案で検討を進めている。あすにも開かれる閣僚折衝を経て最終的な対応を決める方針で、引き上げが実現すれば半世紀ぶりとなる。専門家は文部科学省と財務省の間で教員の負担軽減が必要という考えは一致しているとしたうえで現状を変えるため、早急な対策が必要と指摘。