閣僚レベルの協議に大統領が自ら乗り出すのは極めて異例。あくまで交渉は自分が主役とアピールするとともに、早期に交渉をまとめたいという狙いが透けて見える。トランプ大統領は赤沢大臣と会った後、SNSに「大きな進展があった」と成果を誇示した。協議直前に乱入を表明したのは、相手を揺さぶる交渉術の一環とみられる他、成果を急ぐトランプ氏の気持ちの表れとの見方も出ている。一旦発動した相互関税は金融市場の混乱で一時停止に追い込まれた。また、中国はすぐに泣きついてくるだろうとみていたとみられるが、今のところそうはなっていない。トランプ氏としては相互関税を一時停止している間に各国から譲歩を引き出し早期に成果のアピールが必要。赤沢大臣も「米はこの90日間でディールを成り立たせようという考え」との感触を明らかにした。トランプ氏は赤沢大臣に「日本との協議が最優先だ」と語りかけたとのことで、日本との交渉を早期にまとめ、各国との交渉の「モデルケース」にする狙いもありそうだ。今日の協議は全て非公開で行われ、米メディアのテレビカメラは撮影などに入っていないこともあり、淡白な報道が多い。むしろ海外メディアの方が注目している。ロイター通信は「トランプ氏の乱入による大惨事はなかった。大きなサプライズはなかった」と報じていて、先頭ランナーに立たされた日本がどうなるのか次回以降の協議にも注目が集まりそうだ。