今年4月、この施設に入所したばかりの80代夫婦は迎えに来た家族の手を借りながら、そろって部屋を後にする。駐車場では多くの人たちが荷物をまとめ、車に積み込んでいた。入居から退去通告まではわずか半年あまり。転居先探しに奔走した家族は運営会社に憤りの声をあげていた。職員の情報提供をきっかけに番組が連日取材を続けている見捨てられた老人ホーム問題。職員への給料未払いのまま姿を消した運営会社社長。東京都内や千葉市などで展開していた老人ホームの職員は、入居者たちを残し一斉退職。千葉市内の施設では、あす10日での食事の提供打ち切りが告げられ、退去ラッシュが始まっていた。一方、東京・足立区の老人ホームには、ボランティアに駆けつけたという元職員の姿があった。同じ会社が運営する横浜市内の施設でも、入居者の退去ラッシュが始まっていた。千葉市は今後の対応について、施設に職員を毎日派遣し、雑務や転居支援などを実施。給食会社などに今月以降も食事を提供できないか調整中だとしている。