人気アイドルの曲に合わせて足立区の銭湯の店主が笑顔で踊る動画がSNSで注目を集めている。足立区ではピーク時、155軒あった区内の銭湯は現在23軒に減った。銭湯の火を消したくないと制作したこの動画、店主たちがこだわっているのは笑顔だという。若松湯の店主、山田知孝さんたちが動画を撮郎と思ったきっかけはお客さんから「笑顔もない、ありがとうも言わない、そんなところの風呂には行きたくない」と指摘を受けたことだった。怖そうなおやじのイメージを変えたいと山田さんはイメージアップ大作戦を考えた。おやじたちの笑顔を集めたポスターやイラストで描かれたシール。さらに笑顔の缶バッジまで作り銭湯で配った。営業の合間にはこんなことも鏡台に向かって笑顔の練習をするようになった。さらに若いお客さんにもっと来てほしいと、山田さんは知り合いの俳優で笑顔が魅力のあやかんぬさんに相談した。そして2人で話し合ってダンス動画を撮影することに。あやかんぬさんが注目したのはおやじたちの硬い表情。さらに親しみやすさを表現したいと嫌がる店主たちを巻き込んで笑顔の練習を開始。ユニークなダンス動画の発信を始めた。呼びかけに参加した玉の湯の店主、堀田晃一さんは2年ほど前に病気を患い笑うことが少なくなった。周囲に説得され参加することにした堀田さんは仲間と踊るうち楽しくなり徐々に笑顔があふれるようになった。銭湯を守るために始めた動画投稿で心の底から出た笑顔がきょうもお客さんたちの心も温めている。これまでに投稿した動画は全部で82本になり動画を見てくる人もいるという。足立区の銭湯では今後日本に住む外国人にもSNSを使って銭湯文化を伝えていきたいという。