かつて輪島朝市で活気に包まれた場所は2年前、火の海に包まれた。今では草が生い茂った更地が辺り一帯に広がっている。平安時代から続くとされる日本三大朝市の1つが「輪島朝市」で能登を代表する伝統工芸品の輪島塗や魚の干物、そして野菜の漬物などが並んでいて、観光客の方のみならず輪島市民の皆さんも生活の台所として愛していた場所だった。近くには輪島港があるという立地なので、地元で取れた新鮮な海の幸も名産品の一つだった。いまは残された道路だけがその名残を感じさせている。震災時には、道の両側にあった建物が通りのほうに崩れてしまったことで、消防車が入れず火が広がってしまったといわれ、電柱もスピーカーのような黄色い機械が熱で溶けてしまっている。ここに住んでいた人たちは震災後、生活拠点を金沢市に移した人や、輪島市に残りながら、出張朝市という形で活動を続けている人もいる。しかし共通して聞こえてくるのが「この場所でやっていた輪島朝市に戻りたい」という思いだったという。能登では去年のうちに公費解体がほぼ終了したが、復興の象徴として最初に解体が進められたのが、この朝市のエリアだった。更地になった当初は「がれきが残っていたときよりもさみしさを強く感じるようになった」という声も多く聞かれたが、2年経ったことで少しずつ現実を受け入れながら前に進もうという思いも生まれたという声も多く聞かれ、朝市が復帰したときにどうするかといった前向きかつ具体的な話し合いも行われるようになっている。先月から区画整理事業が始まって、ことしの春からここで建物が着工される予定となっている。計画未定の地域もある中、能登のシンボルである朝市の工事が始まることで、能登の活気が戻ると多くの人が期待しているという。
住所: 石川県輪島市河井町1-115
