きのう農林水産省に対し政府備蓄米の放出を要請したことを明らかにした大阪府・吉村知事。政府備蓄米はコメの不作の年が続いた年などに安定供給できるよう政府が保管しているコメのこと。直近では東日本大震災の影響で生産が落ち込んだ2012年に市場に放出された。大阪府の調査によると、府内の小売店の約8割でコメの品切れが発生しているという。吉村知事の要請に対し農水省は「現時点で国から備蓄米の開放をするつもりはない」としており、理由には「全国的には需給は逼迫していない」と挙げているという。農水省は6月末時点で全国のコメの在庫量は156万トンあり、新米が出る9月までの在庫は確保できているという見解を示している。政府備蓄米の放出は必要なのか、番組が大阪府内の卸売業者を取材すると「政府備蓄米が出た後は相場がごろっと一変するのでちょっとまずいなと。備蓄米を出すのは裏技の裏技なので、あまりやられると困る」と話す。卸売業者の中でも意見が分かれる政府備蓄米の放出。番組が改めて農水省担当者に問い合わせると「在庫がまったくないという状況であれば出さないわけではないが、在庫がある中で政府備蓄米を出すと価格が不安定になる他、民間の供給体制に混乱が生じるので、影響を与えるべきではないと考えている」とのこと。南海トラフ巨大地震・注意情報が出たことなどにより、コメを備蓄する人が増えた影響で起きたとみられるコメ不足。番組が取材を進めるともう1つの原因として「お盆の時期」が関係していることが分かった。コメの需要が高まっているにも関わらず、お盆の時期で流通がストップしたため、コメ不足に拍車がかかったという。農水省はお盆明けに発注されたコメが今後、徐々に市場に入ってくると見ており、「コメ不足は解消に向かう」としている。