先週行われた備蓄米の1回目の入札で落札された価格の平均が、消費税抜きで60キロあたり2万1217円だった。公表データ・相対取引価格(集荷業者が卸売業者に販売する価格):ことし1月は平均2万5927円、去年秋以降は平均2万4055円(消費税込み)。注意が必要なのが、備蓄米は消費税抜き。しかも備蓄米は集荷業者に売り渡す際の価格で、卸に販売する段階ではさらに高くなるため、実は価格はあまり変わらないのではという見方もできる。専門家に聞くと、スーパーで売られている5キロのコメが数百円下がるかどうかという見方があった。コメの流通に詳しい、三菱総合研究所・稲垣公雄研究理事は「備蓄米が価格に与える影響は限定的だろう。ことしから2年程度かけてコメの生産量が増えてこないと価格は安定しないのではないか」とコメント。農林水産省は、2回目の備蓄米の入札を今月中に実施できるよう準備を急いでいる。効果を見極めながらさらなる対策が必要になるかもしれない。