チコちゃんが「硬貨が古くなると光らなくなるのはなぜ?」というクイズを出した。正解は電子が動けなくなるから。東京理科大学の川村康文教授の解説。 まずは硬貨がどのように出来ているのかを造幣局さいたま支局の鳥井和美さんに教えてもらった。2021年に新しくなった五百円玉は外側は黄銅、内側は白銅と銅で出来ている。最初に銅を最高1,200℃で溶かす。材料の一部には金属の切れ端や古い硬貨も再利用される。溶けた金属を決められた大きさにカットし再び加熱し薄く伸ばす。これを繰り返し薄い黒い板になる。黒い表面を削り取ってさらに薄くのばすとコインの元となる板が出来上がる。広島支局で作られた板を大阪本局にへ運んで専用の機械で打ち抜くとコアとリングが出来上がる。その後洗ったり模様づけなどを行い五百円玉が出来る。さいたま支局では一部手作業も入れてコレクション用のプルーフコインを製造している。通常以上にピカピカに仕上げるがつくる手順は機械とほとんど同じということで実際の作業を見せてもらった。まず洗浄作業。ステンレスボールと研磨剤で磨く。水分を拭いて乾燥させたらコアとリングを機械にセットし模様づけ。機械の中でリングにコアをはめて強い圧力でくっつけると同時に上下とフチに模様を押し付ける。普段私たちが使う硬貨は一度だけだがプルーフコインは丁寧に二度押し付けてしっかしとした模様がついた五百円玉になる。五百円玉は主に銅。金属には電子の粒がたくさんあり自由に動き回っている。電子は光をはね飛ばす性質がありその結果ピカピカと光るように見えている。金属が濡れたりして水分に触れると一部の銅の原子が水に溶け込み電子もそれに引っ張られていく。銅の原子が水の中にある酸素原子とくっつくと電子は自由に動けなくなる。その後水が乾いたあとも酸素原子につかまえられた原子は動けない状態で結果光を十分にはね返せなくなる。酸素とくっついた金属は酸化物となり電子が動けなくなって光らなくなる。これが一般的にサビると呼ばれる現象。サビ取りは酸化物を取り除いて輝きを取り戻すこと。プルーフ貨幣は表面に特別なコーティングをしたり酸素にあたらないように特別なケースに入れている。五百円玉の世界に誇る偽造防止技術をご紹介。1つ目は外周部分に“JAPAN”と“500YEN”の小さな文字が刻まれている。2つ目は側面の斜めに入った線で線の幅が違うのは世界初の技術。この繊細な技術はお金がかかり偽造しても元が取れない。3つ目は0の中に見る角度によって“JAPAN”と“500YEN”の文字が浮かび上がる潜像という技術。
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