ミラノ・コルティナ五輪、フィギュアスケート女子日本代表の中井亜美選手の銅メダルが確定した瞬間、彼女の元へ駆け寄り、お互いを称えるように抱き合ったアリサ・リウ選手。アメリカの女子フィギュア界に24年ぶりの金メダルをもたらした。2005年8月、代理母を通じて生まれたアリサ選手。5人きょうだい全員が代理母から生まれ、一番下は三つ子。父アーサーさんに連れられ、アリサ選手がスケートを始めたのは5歳頃。2018年、アリサ選手が12歳の時に出場したカリフォルニア州の大会の映像には初めてトリプルアクセルを成功させた瞬間が。大人に混じり13歳で出場した全米選手権でもトリプルアクセルを決め史上最年少で優勝した。2022年、16歳のとき北京五輪で初めてオリンピックの舞台へ。しかし大会後突然引退を発表した。父に相談することなく16歳が一人で決めた大きな決断だった。きっかけは身の危険で、中国政府がスパイを送り父アーサーさんやアリサ選手の住む街の近くで情報収集をしていた。中国で生まれ育ったアーサーさんは1989年の天安門事件のデモに参加、その関連でアメリカに亡命した過去がありその後も中国からの監視の目が途絶えることは無かったという。北京五輪前にはFBIから電話が来て、中国のスパイが自宅に向かっていると言われた。危険から遠ざけるためアリサ選手を別の街へ連れていったがアーサーさんは仕事もあり一人にさせるしかなかったと話す。政治や大人たちの事情に振り回された天才少女はフィギュアスケートから完全に離れ大学生に。それから約2年後、アリサときょうだい友人何人かをスキーに連れて行った時に感じた高揚感がアリサ選手を再びリンクへ呼び戻した。去年3月、3年ぶりの世界選手権出場で4連覇を狙っていた坂本花織選手から女王の座を奪取、復帰後はより自分の意思で行動するようになったという。これまで父やコーチが決めていた髪型や衣装も復帰後は自ら決めている。自らの決断と選択で競技人生を再スタートしたアリサ選手。空白の2年間で学んだことについてアリサ選手は、「自分のアイデンティティを守ることが一番の目標、これまでの経験からどう自分に向き合えばいいのかを学んだ。自分に必要なのは自分自身だけ」と語った。
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