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「週刊少年マガジン」 のテレビ露出情報

水木しげるさんはこれまで恐れられてきた悪魔や妖怪をお茶の間の人気者にした。代表作はゲゲゲの鬼太郎である。紙芝居から始まり、貸本時代を経て50年以上書き続けられ、アニメや映画となった。去年公開された映画は興行収入20億円を超える大ヒットとなった。本人もサービス精神旺盛である。
浦沢さんが向かったのは水木さんが暮らしていた調布市である。話を聞く1人目は池上遼一さんはトリリオンゲームやかっこいい男たちが登場する漫画を書き続けている。出会ったころの水木さんは少年誌で鬼太郎の連載が始まり、多忙を極める中、スカウトされ2年間、水木さんのアシスタントをしていた。先輩にはつげ義春さんもいた。もう1人のアシスタントは後期の鬼太郎を支えた森野さんである。子供の頃から水木作品の大ファンで高校卒業後水木プロダクションに入社し1982年から10年間アシスタントを務めた。現在は妖怪漫画家として活躍していて、水木ファンからも高く評価されている。
水木さんは締め切りを守る人でネームを最後まで書くわけではなくラストページが思いつかない時は焦っていたという。絵の魅力はベタの使い方や草のなびかせ方が水木さん特有である。アシスタントはスクラップブックから雰囲気にあったものを出して描いてくれといわれたという。水木さんは自分が漫画に使いたい風景を普段から写真で撮っていた。池上さんはトレースはしたことがない。浦沢さんの場合、ネームを作り、下描きをし完成する。背景はキャラクターを描いた後にペン入れする。水木プロではアシスタントが描いた絵を引き出しにストックし原稿にあった絵を選び貼っていった。使われなかった大量の絵も残っている。新人は点描から始まり、Gペンを使用しているという。点描の密度や濃淡で質感が伝わる。白く空気感を出すと存在感があるという。
浦沢さんはベタの配置が気になっている。水木さんの写真ではすでにベタになっている。浦沢さんは水木さん風に鬼太郎の家の絵を描いた。池上さんの思い出部会作品は墓場の鬼太郎 妖怪城で水木プロに入って最初に関わった原稿である。初仕事はトンネルを描いた。ベタの指示はくロであり未だにくロと描くという。光を反射させるとくロと書いてあることが見える。物語のラストの岩の輪郭はベタがそこかしこに入れられている。ファンからの人気も高い墓場の鬼太郎 大海獣は水面もラフな線で描いている。2人はものさしで描いたように描くなと言われていたという。緻密な背景の狙いはリアリティを考えながら出す。
水木しげるさんは大正11年生まれ、鳥取県境港で育った。独学で様々なタッチで絵を描き、先生の勧めで開いた展覧会は評判となり騒がれたという。21歳の時、召集令状が届きデッサン用の紙とペン、ゲーテの本をもちパプアニューギニアの戦地へと向かった。戦場では爆撃で左腕を失うことになる。1946年に帰国し右手一本で絵描きとして紙芝居作家を始め貸本漫画の世界へ入った。38歳の時に描いたのが墓場鬼太郎である。43歳のときに少年漫画誌での連載が始まり、TVアニメにもなり人気漫画となった。人気を支えたのは個性豊かな妖怪たちである。
妖怪を生み出したヒントはネーム室にあった。貸本時代からの60年分の資料がある。世界各地の民芸品を収集し古文書などからも妖怪を生み出した。シーサーの置物から生まれたのがシーサーである。先生は妖怪を描くにも不快感が残っては行けないとよく言っていたという。墓場鬼太郎 怪奇一番勝負の原稿を見ると大胆なベタがありアメコミにも同じ表現があり自分の作品にも活かしている。この時代にはさいとう・たかをのかっこいい漫画も売れていたがきもかわいいキャラクターを描いている。貸本時代はブラックでシニカルな存在だった鬼太郎は少年誌ではヒーローにすることが求められた。その時の水木さんは格闘が入ってきて正義のヒーローがやっつけることは好ましいことじゃないと語っている。そのためねずみ男を登場させていた。水木さんはのちに自分の戦争体験を漫画に描いている。浦沢さんは鬼太郎作品に水木さんの本音が描かれているとした。正義の鬼太郎を描くことに大きな疑問を抱いているという。正しさを疑い出した水木さんはすべては屁のようなものと残した。

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