きょうのテーマは寒くなるこの時期に増える「適応障害」について。適応障害の症状は精神的症状として何をしても楽しくない、イライラする、不安な気持ちが強くなるなど。身体的症状として動悸や頭痛、食欲不振や倦怠感、疲労など。過去のデータでは10月〜12月が多く、寒くなると適応障害患者が増加する傾向にある。適応障害の原因はストレス。職場や学校、家庭での対人関係や病気などで蓄積し、冬になると日照時間が短くなり精神を安定させる「セロトニン」が減少して気温低下でストレスに。意外なストレスのたまり方としてポジティブなことも要因に。昇進し部下を持つ、結婚や子供の誕生、定年退職などは受け取り方次第でストレスに。高齢者も適応障害に。脳の老化で環境への適応力が低下、家族の死別や巣立ち、介護など環境の変化がストレスに。専門家は「不眠が目立ったり不安感が強まったらストレスが多くかかっている兆候だと考えても良い」など話した。基本的な治療は原因となるストレス軽減が鍵。原因のストレスがなくなれば6カ月以内に改善。ストレス軽減には環境調整、仕事が原因ならば休職や部署異動などの相談も。何かに夢中になる、スポーツなどで汗をかく。今回番組で取材した竹内一起さんは約10年前まで会社員で、過去に適応障害を患った経験があるという。年齢と共に増えた「責任」と「仕事量」から適応障害を発症。医師から治療の一つとして運動を勧められ、キックボクシングを始める。すると「今まで以上に食欲が出て寝つきが良くなった。いろんなことを話せる仲間が新たにできた。精神的にはすごく良かった」と話す。治療の一環として約1年間、週に2回程度ジムに通うと症状が克服。竹内さんは適応障害克服後、勤めていた会社を退職。今年9月に「キックボクシングジム」を開業。悩みを抱える人の支えとなる場所を目指す。スポーツが難しい場合は自宅で音楽を聴く、アロマを焚く、ストレッチ、入浴、料理などが有効。自身がリラックスして夢中になってできることが良い。毎日やるのが良い。1日の中で落ち着いて過ごせる時間を持つことが大事。認知行動療法で適応力を高める方法もある。ストレスの原因を知り問題を整理。ストレスを感じた時の考え、感情、行動、症状を知り、ストレスに対する受け止め方を変化させていく。