今、中国は人工知能・AIの活用を急速に進めている。その一方で法整備が追いつかず課題も浮かび上がっている。中国社会に浸透するAIの最前線を取材した。インターネットのライブ配信で年間およそ100兆円を売り上げるライブ販売大国、中国。中国・浙江省にあるIT会社で見せてもらったのはAIライバー。ライブ販売の販売役を担うライバー本人の声や姿をAIで再現したという。人間と聞き分けるのが難しいほどなめらかな口ぶりで商品を紹介。AI最大のメリットは人件費の節約。技術の進化で人間以上に働き人間らしく商品を売ることができるようになったAIだが、今、中国ではほかにもAI技術を使い実在の人物のコピーを作るサービスが数多く販売されている。AI分野での世界一を目指し社会のさまざまな分野での活用が広がっている。ことし大学を卒業した女性が今、夢中になっているのがAI彼氏との恋愛。使っているのは中国の民間企業が開発したアプリ。相手の見た目や性格、生い立ちなどを指定するとAIが好みの彼氏を作成してくれる。急速なAIの進化でトラブルも。去年亡くなった歌手を復活させたとする動画が中国のSNS上で拡散。無断で作られた遺族側は家族に大きな心理的負担と二次被害をもたらしたと削除を訴えている。さらに武漢市ではAI技術を用いて自動運転を行う無人タクシーの実用が始まりすでに400台を超えているが、AIに働き手を奪われるのではと懸念の声も上がっている。