横田慎太郎は2013年にドラフト2位で阪神タイガースに入団した。4番候補として将来を嘱望されていた。プロ3年目で開幕一軍を勝ち取り、走攻守で活躍した。がむしゃらなプレースタイルがファンの心を掴んだ。プロ4年目の春季キャンプで横田の体に異変が起き、簡単にさばけていたボールが捕れなくなっていた。2017年2月に脳腫瘍が判明した。宣告から6日後に手術を受けた。手術は成功し、横田は半年間の闘病生活を乗り越え退院。復帰に向けたリハビリを始めた。阪神は育成選手として再契約した。手術から9か月、グラウンドには横田の姿があった。しかし、脳腫瘍の後遺症でボールが二重に見えていた。育成契約から2年、目の状態だけは回復しなかった。2019年9月に引退会見を行い、9月26日には二軍公式戦で引退試合が用意された。4年後、再び脳腫瘍を発症し2023年7月18日に28歳で亡くなった。闘病生活の中で横田は「阪神の優勝が見たい」という言葉を遺した。阪神は8月以降、35試合で28勝をあげた。