財務省国債企画課では9月、国債発行計画が動き始めていた。令和6年度の当初予算112兆円のうち35兆円余を国債が賄っていた。1年間に発行される国債はこれだけではなく、返済期限を迎えた国債の一部を返し残りはもう一度国債を発行して資金調達する必要があった。そのため令和6年度に発行される国債は182兆円にのぼった。国債を購入する機関投資家の動向を探るため、国債企画課の大滝さんは長野県の地銀に足を運んだ。この地銀は国債に8000億円ほど投資しているが、今後の話については言葉を濁した。日銀が政策金利を引き上げたことで、機関投資家の間では今国債を購入すると今後市場での価格が下がるという懸念下広がっていた。また国債発行残高のうち半分以上を保有していた日銀は、買い入れを減らす方針を掲げ、来年3月までに7~8%程度減少するとした。金沢の地銀の運用責任者からは、国内金融機関で国債を引き受けるには限度があると告げられた。