地球は化石燃料に過度に依存しているが、現代社会のライフスタイルを根本的にリセットする必要性に迫られている。アメリカのTAEテクノロジーズ社は、太陽がエネルギーを生成する仕組みを地上で再現する核融合技術を使い、核融合エネルギーを電力に変換し、企業や家庭に送電する計画をしている。核融合エネルギーは、発電効率と安全性において、原子力に使われる核分裂エネルギーを遥かに凌駕するという。一方、日本では、生命がエネルギーを生み出す仕組みを模倣し、カーボンニュートラルを目指す試みが始まっている。豊田中央研究所では、太陽の光と二酸化炭素を光合成によりエネルギーに変え、人工的に再現するという実験を続けている。開発を提案した当初は懐疑的な意見が多かったが、まず1cm角の小さな装置で人工光合成が可能であることを証明し、試行錯誤を繰り返し大型の装置で植物を大きく上回る変換効率の達成に成功した。これは、排出量削減とエネルギー問題を一気に解決する技術となる。さらに、微生物を活用し、排出量削減と経済活動の両立を目指すベンジャービジネスも本格的に動き始めているという。日本の温泉で発見された水素菌は、極めて早いスピードで増殖し、無機物だけで有機物を生み出すという。