アルファでは現在、年間100万台を超える自動車の鍵を製造している。独自に開発した機会の7本の腕で削りと研ぎを繰り返して鍵の山を作る。1本ずつ異なった削り方になるよう、コンピューターによって指示が出されている。削り出す鍵山の全部で10段階。山は左右対称に10個付けるため、理論上は100億通りの鍵を作ることが可能。アルファではスマートキーとキーの受信部となるドアハンドルも製造している。スマートキーシステムはリモコンキーからドアに向けてパスワードとなる数字を送信、その数字がドア側の数字と合えば鍵が開くという仕組み。アルファではこの数字を、鍵の開け閉めをするたびに変更している。アルファでは設計から製造まで車内での一貫体制を敷いている。
アルファはロッカー、自動車、住宅設備という3つの事業に分かれている。3つの優れた点を互いに取り入れて鍵の技術を発展させている。玄関のスマートロックで使われているのは自動車のリモコンキーのシステムを応用したもの。住宅用は鍵自体が振動を感知しないと電波を発信しない。1923年、大阪市淀川で創業した金物製造の会社がアルファの前身。その年に起こったのが関東大震災。復興していく家々で必要になったのが鍵だった。アルファはシリンダー錠の量産に成功した。1933年には日本で初めて自動車の鍵の製造を開始。戦後の混乱期にはどこにでも手軽に鍵をかけられる南京錠を。高度成長期には移動する人のたkめの必需品、コインロッカーを製造。