きょう午前1時25分。地震発生時刻にろうそくの明かりだけの中で静かに祈りを捧げる遺族の姿があった。熊本・大分の両県で災害関連死も含めて278人が亡くなった熊本地震。かつては損壊した建物が残り、一部で倒壊した家などが道を塞いだ幹線道路は災害に強いまちづくりとして4車線に。今では着実に復興が進んでいる。しかし、10年が経った今もあの日から時が止まったままの家族がいる。10年前の本震で崩落した全長206mの阿蘇大橋。当時22歳の大学生大和晃さんはその近くで土砂崩れに巻き込まれ命を落とした。10年前のきょう午前1時25分ごろ晃さんは車で阿蘇大橋付近の国道を走っていたとみられている。2日前の前震で被災した友人のもとへ飲水を届けた帰り道だった。父、母、兄の家族3人は捜索の打ち切られた。それでも家族は諦めきれず。行方不明から100日目、橋の約400m下流の川底に沈む晃さんの車を自分たちの手で見つけ出した。父・卓也さんは晃さんがかつてゴミ撒きを手伝った苗から米を育て、息子の分まで稲作を続けた。しかし、2024年9月父・卓也さんは他界。そして、きょう母の忍さん、兄の翔吾さんが祈りを捧げる姿があった。母の忍さんは「いてくれて当たり前だった息子に10年会えてないんだなと」などコメント。崩落した阿蘇大橋の600m下流に2021年3月新阿蘇大橋が開通した。橋の下には活断層が走っているため設計段階から地盤がずれた際に橋桁も一緒にずれるように設計された。地震の教訓から生まれた新しい知恵。
住所: 熊本県阿蘇郡立野
