さまざまな理由で引き取り手がいない無縁遺体。超高齢化社会を迎えつつある中、年々増え続けていて、全国の自治体が対応に苦慮している。無縁遺体の火葬や埋葬などにかかる費用は、墓地埋葬法に基づき自治体が負担する。しかし対応についての明確なルールはなく、自治体にゆだねられている現実がある。実態を把握するために政令市や中核市、東京23区にアンケートを実施。59の自治体から回答があり、無縁遺体を取り扱った件数は2022年度でおよそ1万3000件と過去5年間で1.3倍に増えていた。無縁遺体が生じる理由として多く挙げられたのは、ほぼ絶縁状態、高齢、経済的な理由できょうだいや子から引き取りを断られる。火葬や遺骨の引き取りは拒否しながら、遺留金の相続を求めるといった引き取りを巡る遺族側とのトラブルだった。そうした中、親族がいるにもかかわらず無縁遺体として取り違えられるケースも。歴史学者だった男性。北海道の大学を定年退職し京都市内で1人暮らしをしていたが、おととしの1月に急性心筋梗塞を発症。救急車で搬送され息を引きとった。男性と連絡が取れないことに違和感を覚えた友人が男性の弟夫婦に報告。共に警察や病院などを尋ね歩き、3か月後になって亡くなっていたことを知った。 友人が憤るのは、行政による親族調査の仕組み。男性の遺体を引き受けた京都市は、国のガイドラインに従い市内に限定して戸籍調査を実施。しかし、弟を含む親族の戸籍情報は京都市外にあったためたどりつかず、無縁遺体として火葬した。
無縁遺体を巡る問題を受け、京都市も対策を講じた。親族調査などにかかるマニュアルを市独自に作成。対象を全国に広げたうえで、きょうだいのみならず、おいやめいにまでさかのぼって調べることを明記した。統一的なルールがない中で、自治体は日々対応に追われている。保管場所はひとつの問題だ。経費が重なってきてしまう。
2025年は団塊世代のすべてが後期高齢者となる。そんな中、顕在化してきた無縁遺体の問題。事前に自分や家族の最期について考える終活が広がっている。8月末に東京都内で開かれた日本最大級の終活イベント。2日間で1万3000人が訪れた。取材した夫婦が納骨する場所として選んだのは、千葉県にある古墳型の共同墓地。来場者の注目を集めたイベント。70歳になることし、石田純一さんは生前葬を行った。年々増え続ける無縁遺体。10年以上にわたり見送り続けている後藤さん。 亡くなった時点で人は平等だという。
無縁遺体を巡る問題を受け、京都市も対策を講じた。親族調査などにかかるマニュアルを市独自に作成。対象を全国に広げたうえで、きょうだいのみならず、おいやめいにまでさかのぼって調べることを明記した。統一的なルールがない中で、自治体は日々対応に追われている。保管場所はひとつの問題だ。経費が重なってきてしまう。
2025年は団塊世代のすべてが後期高齢者となる。そんな中、顕在化してきた無縁遺体の問題。事前に自分や家族の最期について考える終活が広がっている。8月末に東京都内で開かれた日本最大級の終活イベント。2日間で1万3000人が訪れた。取材した夫婦が納骨する場所として選んだのは、千葉県にある古墳型の共同墓地。来場者の注目を集めたイベント。70歳になることし、石田純一さんは生前葬を行った。年々増え続ける無縁遺体。10年以上にわたり見送り続けている後藤さん。 亡くなった時点で人は平等だという。