関東でも井戸水などから国の暫定目標値を超える濃度で検出されるケースが相次いでいるPFASについて、環境省は水質検査や基準となる数値を超えた場合の改善を法律で義務づける方針を決めた。有機フッ素化合物のPFASのうち、有害性が指摘されているPFOSとPFOAについて、国は4年前、2つの物質の合計値を水道水1リットル当たり50ナノグラムとする暫定目標値を設定。しかし検査などの法的な義務づけはなかった。この2つの物質について環境省は全国各地の水道水の検査で一定の濃度を超える値が検出されたことを受けきょう開かれた専門家会議で水道法上の水質基準に引き上げる方針を示し了承された。水質基準に引き上げられると自治体や水道事業者に定期的な水質検査の実施やPFASの濃度が基準を超えた場合の改善が法律で義務づけられることになる。基準値については現在の暫定目標値と同じ1リットル当たり50ナノグラムとした。施行は2026年4月からとなる見通しだ。一方、きょうの会議では全国の専用水道について国が初めて行った調査の結果が公表された。専用水道というのは自治体などが運営供給する上水道などとは異なり一部の大学や集合住宅などのほか、自衛隊基地などの国の施設で使われている水道で多くは井戸水を水源としている。調査結果によると暫定目標値を超える値が検出されたのは全国11の都府県の合わせて44か所で関東では茨城県と千葉県がそれぞれ2か所、東京都が23か所、神奈川県が5か所となっている。自衛隊の施設で高い値の検出が相次ぎ東京にある陸上自衛隊東立川駐屯地では目標値の6倍以上にあたる1リットル当たり343ナノグラムが検出された。目標値を超えた44か所の多くでは、すでに水源を上水道に切り替えるなどの措置が取られたという。環境省は過去に使われたPFASを含む泡消火剤が土壌に残り地下水として流れ出している可能性があるとしている。
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