弾劾賛成派と反対派の対立を深めている要因の一つとされているのが政治系ユーチューバーの存在。去年、公表されたある研究機関の報告書では、韓国の人たち2000人にニュースを知る方法を複数回答で聞くと、「テレビ」の62%を上回り、79%が「SNSを含むオンライン」だとした。中でも半数以上の人がユーチューブを通じて情報を得ているという。今、韓国では集会などの現場に行くと、大手メディアに交じって撮影するユーチューバーたちの姿が見られる。非常戒厳の後、ユーチューバーの存在感はますます高まっている。ユーチューバー・キムオジュンさん。登録者数は200万人以上。主に時事問題について政治家や専門家との対談を平日の朝にライブ配信している。野党を支持する立場から非常戒厳の宣言をしたユン大統領を批判してきた。かつてはテレビやラジオの番組でジャーナリストとして活躍していたキムさん。キムさんはテレビやラジオなど既存のメディアにはない柔軟性がユーチューブなどネットメディアへの支持につながっていると話す。高まるユーチューバーの影響力。今回の混乱ではその力を排除しようとする政治の側の動きも見られた。ユン大統領が非常戒厳を宣言した去年12月。韓国メディアは軍による拘束の対象者としてユーチューバー・キムオジュンさんが入っていたと報道。一方、野党側も今年1月ユン大統領を支持する保守系のユーチューバーを複数告発すると発表した。一部のユーチューバーが不確かな情報を流し政治を混乱させていると訴えた。ユーチューバーが政治や社会に大きな影響を与えるようになったことで社会の分断がより進む恐れがあると専門家は指摘する。