佐賀県武雄市に学校法人旭学園が運営する私立武雄アジア大学がこの4月新たに設置されるが、きょう入学式を迎える学生は定員140人に対して37人と3割以下にとどまった。大学を認可した松本洋平文部科学大臣は、大幅な定員未充足と指摘し、定員を集める責任を大学として果たせなかったのは文部科学省として大変遺憾だと述べている。佐賀県内の高校生は8割が県外の大学を選択し、毎年3000人が流出。県や市は補助金、計約19億円を出して新大学で流出を食い止めることを期待していた。武雄市の人口は約4万6000人。佐賀県内の4年制大学数は2校で全国ワースト1だった。武雄アジア大学は、東アジアと地域をつなぐ新しい学びの大学と銘打つ3つ目の大学。学校側が文科省に学生確保の見通しを示す資料によると、全国の高校94校を対象に行ったアンケート結果から169人が入学に前向きと算出していた。武雄市の小松政市長は率直に言って残念などと会見。市は先月24日、39人が入学予定と知らされ、その後2人が入学辞退。169人の行方について複数の県内高校を取材してみると、佐賀県では企業への就職を希望する学生は県外にいくとの声があった。また卒業生の進路情報がゼロなので生徒と保護者が敬遠しているとする高校もあった。武雄アジア大学の学部は1つだけ。韓国のエンターテインメントなどを学ぶコースもある。大学が文科省に説明した資料には、主な募集地を佐賀、福岡、長崎に設定と記載。少子高齢化で4年制大学が苦境の中、なぜ今、新大学なのか。小松市長は街を活性化したいという思いがあったなどと説明。大学誘致は市長の肝いりの政策で、2023年にはワクワクしているなどと会見していた。今回の大学設置に反対の立場をとる武雄市の樋渡啓祐前市長は、小松市長に金を出すなと釘を刺したなどとコメント。現職時に大学誘致を考えたことは全くないという。飲食店経営の50代は若い子が来たらアルバイトに入ってもらえるなどとコメント。80代の武雄市民は水道料金を安くするとか市民のために使い道があってほしかったなどとコメント。大学ジャーナリストの石渡嶺司は打開策について、過去に理解されづらい学部名だった大学がコース名で高校生にアピールした事例があるなどとコメント。コースやテーマを売り出す手法が考えられるという。松本文科大臣は入学者の実績に応じた定員規模となるよう厳しく指導していくと述べ、経営改善が必要な場合は集中的に指導するとした。
