東京五輪日本代表のセッターとして日本のバレーを変えた男。藤井直伸は今年3月にがんにより31歳でこの世を去った。番組では藤井直伸の闘病377日を追った。世界を翻弄した超速攻のBクイック。藤井と黄金コンビと言われた李は「映像を見てひたすらノートに書いていた」と練習ノートの存在を明かす。ノートには選手ごとにどんなトスを上げればいいか、事細かく記載されていた。宮城・石巻市で生まれた藤井は、2010年に順天堂大学に進学したが東日本大震災で実家が被災。卒業後は東レアローズに所属した。2017年に日本代表に初招集された藤井は、速いバレーをチームに吹き込み東京五輪では29年ぶりに8強入りの原動力となった。しかし五輪から4か月、藤井は体調不良を練習ノートに記している。2022年に検査入院で胃がんステージ4と判明。それでもチームの心配をする藤井に妻・美弥さんは「本当に自分の心配をしてほしいって思った時もあった」と振り返る。