アメリカとイスラエルがイランを先制攻撃して始まった戦争が2か月を迎えた。ホルムズ海峡が封鎖され世界的なエネルギー危機が起きている。アメリカとイランの2回目の対面協議は開催の見通しが立たない。両国は主張の隔たりが大きく妥協点を見出すのが困難。イランはホルムズ海峡の封鎖という非対称の戦略で対抗している。イランは今回の事態をイスラム態勢存亡の危機と捉えている。革命防衛隊は「ホルムズ海峡はイランの完全な管理下にある」としてホルムズ海峡の管理が体制存続の切り札と認識している。指導部はウラン濃縮活動の完全な停止は断固拒否する姿勢。トランプ大統領はガソリン価格高騰で政治的に追い込まれ、11月の中間選挙に向けてできるだけ早期に幕引きしたいのが本音とみられ、イランにホルムズ海峡封鎖を解除させガソリン価格引き下げが不可欠と考えている。イスラエルのネタニヤフ首相はこの戦争を早期に終わらせたくないと考えている。世論調査では国民の60%以上がイランとの停戦に反対している。ネタニヤフ首相はハマスの攻撃を防げなかった責任と自らの汚職裁判により10月までの総選挙で苦戦が予想され、政権維持のためにトランプ大統領を戦争に引き止めたいとみられる。今後、戦争長期化の恐れもあり、注目点はアメリカとイランの対面協議、ホルムズ海峡の軍事的緊張、イスラエルの行動。
