アメリカ拒否権に関する解説。アメリカがイスラエルを支持する背景にはAIPACと呼ばれる親イスラエルのロビー団体で、300万人以上が所属していてアメリカ最大のユダヤ系ロビーである。イスラエルの政策を掲げる政治家を資金面などで支えており、年次総会には毎年民主・共和の議員たちが参加してきた。AIPACはアメリカの政権や議会に対して親イスラエル政策の推進を訴えていて、メンバーにはその働きかけを求めている。しかし最近問題になっているのはAIPACが進める保守強硬的な制作が多く、バイデン政権が進める政策とは違いが浮き彫りになっている。そのうち1つがUNRWAで、バイデン政権はUNRWAの役割を評価しているが、AIPACとネタニヤフ政権はUNRWAを評価しておらず、解体に前向きである。アメリカ議会で先日、野党・共和党を中心にUNRWAへの資金拠出を来年まで禁止する法案を可決した際にはAIPACは「アメリカとイスラエル連携のために取り組む主要な成果だ」などと話した。こうした中注目されているのはJストリートで、リベラルなユダヤ系ロビー団体である。UNRWAへの資金提供やパレスチナとイスラエルの2国家共存の解決にも前向きで民主党の政策と親和性が高く、中にはJストリートに接近する議員も少なくないという。