山口県下関市で今週完成予定の大型捕鯨船。日本は5年前、国際的なクジラの資源管理を行うIWCから脱退し、31年ぶりに商業捕鯨を再開した。ただ、捕鯨を巡る国際世論は割れている。IWCに加盟する88カ国中、捕鯨に反対する国は50カ国にのぼる。一方で日本は「クジラ資源は十分にある」とし、持続的に捕鯨を続けていく立場。新たな大型船の完成により日本のクジラをめぐる状況はどう変わるのか。
捕鯨用の大型船「関鯨丸」の建造費は75億円。全長112.6メートル、総トン数は約9,100トンにのぼる。東京に本社を置くクジラ専門の水産会社が管理・運営する。船の特徴は従来より大きなクジラを捕れるよう設備を整えたこと。捕獲したクジラを引き揚げる搬入口は従来の船より傾斜を緩やかにしたことでこれまでの3倍以上、70トン級のクジラを引き揚げることが可能となった。さらにかつて甲板で行われていたクジラの解体や部位ごとの加工まですべて船内で行えるようになった。戦後から高度経済成長期において貴重なタンパク源だったクジラだが、日本はIWCの決議などを受け1988年以降30年以上商業捕鯨を中断。調査目的に限って捕鯨を続けてきた。商業捕鯨再開から5年、大型船の完成に拠点となる下関市は活気づいている。地元の専門店ではクジラ肉の調理法を工夫している。低温で調理することで独特の臭みが取れ、硬いと敬遠されていた赤身肉が柔らかくなった。こうした調理法を他の飲食店とも共有し、クジラ料理で町を盛り上げたいと考えている。しかし商業捕鯨再開後、クジラ肉の消費は低迷したまま。年間1,000~2,000トンほどでピーク時の1%程度に留まっている。こうした中、クジラ肉に馴染みのない若者の消費を増やそうと取り組みが始まっている。ある店では週末の土曜日はクジラの刺身・竜田揚げ・ステーキなど8種類のクジラ料理が食べ放題。店は「珍しい味を試したい」という若者で賑わっている。高タンパク・低カロリーであることも人気の理由だという。気軽にクジラ料理が買える自動販売機も。関鯨丸を運航する水産会社が東京・大阪など6箇所に設置。順調に売り上げを伸ばし、今後台数を増やしていくという。約30年ぶりの大型船の完成で新たなステージに入った商業捕鯨。今後の消費の動向がカギを握ることとなりそう。関鯨丸は5月に就航予定。
捕鯨用の大型船「関鯨丸」の建造費は75億円。全長112.6メートル、総トン数は約9,100トンにのぼる。東京に本社を置くクジラ専門の水産会社が管理・運営する。船の特徴は従来より大きなクジラを捕れるよう設備を整えたこと。捕獲したクジラを引き揚げる搬入口は従来の船より傾斜を緩やかにしたことでこれまでの3倍以上、70トン級のクジラを引き揚げることが可能となった。さらにかつて甲板で行われていたクジラの解体や部位ごとの加工まですべて船内で行えるようになった。戦後から高度経済成長期において貴重なタンパク源だったクジラだが、日本はIWCの決議などを受け1988年以降30年以上商業捕鯨を中断。調査目的に限って捕鯨を続けてきた。商業捕鯨再開から5年、大型船の完成に拠点となる下関市は活気づいている。地元の専門店ではクジラ肉の調理法を工夫している。低温で調理することで独特の臭みが取れ、硬いと敬遠されていた赤身肉が柔らかくなった。こうした調理法を他の飲食店とも共有し、クジラ料理で町を盛り上げたいと考えている。しかし商業捕鯨再開後、クジラ肉の消費は低迷したまま。年間1,000~2,000トンほどでピーク時の1%程度に留まっている。こうした中、クジラ肉に馴染みのない若者の消費を増やそうと取り組みが始まっている。ある店では週末の土曜日はクジラの刺身・竜田揚げ・ステーキなど8種類のクジラ料理が食べ放題。店は「珍しい味を試したい」という若者で賑わっている。高タンパク・低カロリーであることも人気の理由だという。気軽にクジラ料理が買える自動販売機も。関鯨丸を運航する水産会社が東京・大阪など6箇所に設置。順調に売り上げを伸ばし、今後台数を増やしていくという。約30年ぶりの大型船の完成で新たなステージに入った商業捕鯨。今後の消費の動向がカギを握ることとなりそう。関鯨丸は5月に就航予定。