6月、住吉会系、準暴力団のチャイニーズドラゴンの幹部らが詐欺の疑いで警察に逮捕された。山梨県内のホテルでは中国系マフィア「14K」と盃事を交わしたという。暴力団の資金源は特殊詐欺、薬物に絞られ、国内の収入源(シノギ)は先細っている。加えて、警察による取り締まりは強化されている。そこで、以前は敵対していた組織とも手を組み、金に困った者たちを集めて海外へ送り込んでいる。海外組織に委託することで確実な収入が見込まれているという。チャイニーズ・ドラゴンは日中双方の組織とコネクションがあり、関係者は「中国、香港で詐欺をはたらいて逮捕されると量刑が厳しい。だから、日本に照準を合わせているのでは」と語った。東南アジアの詐欺拠点について分析を進めるジェイソン・タワー氏は「中国の腐敗摘発キャンペーンにより、非合法勢力は東南アジアに流れ込んだ」と話す。14Kはミャンマーの工業団地に多額の投資を行い、詐欺拠点化しているとされる。国連が昨年にまとめた報告書によると、14Kの古参幹部は他の地域でも詐欺拠点に関与しているという。
