Jリーグ浦和レッドダイヤモンズのホームグランドとして使われている埼玉スタジアム2002。座席数は6万3700席。アジア最大級のサッカー専用スタジアムで2002年には日韓ワールドカップの会場になった。今回は、普段は入ることができない選手専用の入り口からスタジアムの中へ。Jリーグのベストピッチ賞を4度も受賞するほど芝には定評のあるこちらのスタジアム。選手の激闘を支える美しい芝生には職人たちの並々ならぬこだわりがあった。その1つ目が芝生の育成環境。過去、日本で行われた国際大会では冬の開催となるとピッチの芝生が茶色く枯れているのが当たり前だった。関東のサッカースタジアムでは、主に夏の暑さに強く冬の寒さに弱い夏芝が使われている。そんな中、このスタジアムでは採用されたのは冬芝という品種だった。しかし猛暑では枯れやすく厳しい寒さでは成長が止まり退色するなど常に美しい緑色を保つためには管理が難しい品種でもある。芝生の下にはおよそ40kmのパイプが張り巡らされている。場所によって日当たりが異なるため必要な場所に、自動で温水や冷水を流すことができるシステムを導入。冬場は温度を保つため夕方ピッチ全体にシートをかける。