全身の筋肉が衰え、呼吸も十分にできなくなっていくALS。その病に冒されながらも、子どもたちの母親でいたいと懸命に生き続ける女性と家族の物語。本宮喜美子さんはALSを発症してから10年が経過している。単身赴任中の夫も週末は家に帰って介護をしている。本宮さんには2人の子どもがいる。いつも自分より家族を第一に考える母親だったという。取材を始めたのは今から6年前。発症から4年経っていた当時は、自分の意志で動かせたのは目と口と膝だけ。病気がわかったのは53歳の時。医師から告げられた余命は5年だった。当時本宮さんは生きるために必要な気管切開はしないつもりだったという。息子の「一人にしないで」という一言で生きていく覚悟を決めたという。半年後には気管切開をし、喉に人工呼吸器が付けられた。2023年9月、本宮さん夫婦の姿は結婚式場にあった。娘の結婚式とのこと。生きていたからこそ見れた娘の晴れ姿だった。本宮さんはこれからも生き続けて母として、祖母として家族の笑顔に寄り添いたいという。