プチデモン氏が帰国した背景。スペイン北東部に位置するカタルーニャ州はスペイン第2の都市バルセロナを州都としていて、人口はおよそ800万人。JETROによると州のGDPはスペイン全体のおよそ2割を占め、フィンランド一国にも匹敵するという。スペインの州だが、独自の歴史を持っていて、言葉もスペイン語ではなくカタルーニャ語が使われている。カタルーニャ州は独立志向が強かったなか、経済的に繁栄しているにもかかわらず、自分たちの納める税金がほかの地域で使われることへの不満が高まっていた。2017年には、独立の是非を問う住民投票が行われて賛成が全体の9割を超えていた。近年は独立への動きは下火になっていた。先月、州政府が公表した世論調査では、独立を支持する住民は39.9%と調査開始以降で最低水準に落ち込んでいる。JETROによると、5月に行われた州議会選挙では独立を支持する政党の勢力が40年ぶりに過半数割れ。時事通信によるとプチデモン氏が一時帰国した8日には、反独立派から新たな州首相が選出された。プチデモン氏が帰国した狙いについて、ロイター通信は再び独立運動の機運を高めようとしていると伝えている。AP通信は、新州首相の選出にあたり反独立派と合意に至った穏健独立派へ一石を投じる狙いもあったとしている。
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