西日本の防空の要・築城基地は、領空侵犯などの恐れのある外国機に対し、緊急発進で対処することが主な任務。発進回数は年に700回を超える水準が続き、全体の約7割を中国が占めている。特に九州地方や沖縄の空に多く、365日24時間備えなければならない。水越美紗貴2等空尉は航空自衛隊でただ一人、F2戦闘機の女性パイロット。山形アナも築城基地の戦闘機パイロットを体験取材させてもらった。まずは戦闘機の飛行のために天候を入念に確認。戦闘機に乗り込む前には各戦闘機のパイロット全員で作戦の確認を行う。航空自衛隊のパイロットにはお互いを呼び合うタックネームという愛称がある。1分1秒を争う戦闘機パイロットには短く呼びやすい名前が重要だという。口頭や文字だけでは伝えにくいニュアンスは、視覚化することで理解を深める。危険と隣合わせのため、部屋の隅には無事帰るという想いを込めたカエルの置物が。この日は少し早めの昼食。訓練の合間に食べるため、日によって時間も変わるという。飛行訓練の内容から体への負荷を考え、自分で食事量を調節することが重要だという。第8飛行隊のモチーフ「ブラックパンサー」が大きく描かれた扉を開けると、ずらりと並んだ戦闘機のパイロットスーツ。飛行中はG(重力加速度)がかかることで、脚に血流が集まらないようにする専用のフライトスーツを着用し、戦闘機パイロットの命を守る。緊急発進の時には1分程度で装着するという。合図とともに行われた訓練は約5分で完了。敵は戦闘機の無力化を狙い、特に滑走路を攻撃してくるという。この部隊がなければF2戦闘機も安心して活躍出来ない。築城基地で訓練を重ねて1年、水越が日々、心がけていることを聞いた。