道路を走っても水しか出さないFCVは究極のエコカーとも呼ばれている。しかし、燃料を供給するインフラ、水素スタンドが普及していないという大きな課題がある。今、ガソリンスタンドの数は全国で2万7000か所。EV(電気自動車)を充電できる場所も2万か所以上まで増えている。しかし、水素の充填スタンドは全国に、まだ163か所しかない。設置が広がらない理由は、FCVの台数が増えていないことがあるが、一番のネックは整備費用の高さ。ガソリンスタンド約7000万円。水素スタンド約3億3000万円。さらに水素の充填は資格を持ったスタッフしかできないので人手不足が問題となる中でこれも課題。ナカニシ自動車産業リサーチ・中西孝樹氏は「パートナーシップで量産効果が得られる」。さらに水素が将来必要なエネルギー源なのは間違いないとしたうえで、「普及は走行ルートが決まっているトラックなどの商用車からだ」と話す。