1000種類40兆個が存在するといわれる腸内細菌。腸内細菌を難病の治療薬として活用しようという取り組みが進んでいる。健康な腸内細菌を集める施設も誕生した。山形・鶴岡市にある鶴岡サイエンスパークに今年4月、新たな施設がオープン。採便用のトイレで容器に排便するという「つるおか献便ルーム」。医薬品開発に取り組むベンチャー企業「メタジェンセラピューティクス」が便を集めることを目的に作った日本初の施設。小窓から便を入れた容器を入れると隣の部屋で回収。施設では便から採取した腸内細菌などを原材料にして治療薬を作り出すという。対象は潰瘍性大腸炎。国から難病に指定されている疾患で国内患者数は20万人以上とされる。大腸の粘膜が慢性的に炎症を起こし下痢や腹痛などの症状が現れる病気。治療には患者の大腸に健康な人の腸内細菌を内視鏡などを使い移植する方法があるが、薬にして患者に投与するという取り組み。この施設で採取した腸内細菌はマイナス80℃で冷凍され、川崎市にあるFMT治療薬製造センターへ運ばれる。
治験薬を作るというFMT治療薬製造センターは「うんち」を扱えるという意味では日本で唯一の施設だという。腸内細菌を加工し薬にしてカプセルに閉じ込め飲み薬として服用する潰瘍性大腸炎の治療薬として来年には日本とアメリカで臨床試験を始める予定。2032年に医薬品としての承認と販売を目指す。メタジェンセラピューティクス・中原拓社長は「控え目に見積もっても潰瘍性大腸炎だけで世界で少なくとも1000億円の売り上げに届くくらいの市場規模はつくれる」と語った。薬の開発に必要な腸内細菌。鶴岡市で集めるのにはある理由があった。
治験薬を作るというFMT治療薬製造センターは「うんち」を扱えるという意味では日本で唯一の施設だという。腸内細菌を加工し薬にしてカプセルに閉じ込め飲み薬として服用する潰瘍性大腸炎の治療薬として来年には日本とアメリカで臨床試験を始める予定。2032年に医薬品としての承認と販売を目指す。メタジェンセラピューティクス・中原拓社長は「控え目に見積もっても潰瘍性大腸炎だけで世界で少なくとも1000億円の売り上げに届くくらいの市場規模はつくれる」と語った。薬の開発に必要な腸内細菌。鶴岡市で集めるのにはある理由があった。
住所: 川崎市川崎区殿町3-103-9
