生成AIを開発する日本のスタートアップ企業に米国の半導体大手エヌビディアが出資することになった。ことし6月には米国のアップルやマイクロソフトを抑えて時価総額世界1位にもなったエヌビディアがなぜ今、日本の新興企業に出資するのか。東京のスタートアップ企業Sakana AIは複数の既存のAIを組み合わせて、処理能力が高いAIを生み出す技術を強みとしていて、設立半年後のことし1月にはNTTグループやKDDIなどから合わせて45億円を調達するなど業界で高い関心が寄せられていた。今回の出資について比率や金額は明らかにされていないが、エヌビディアが持ち株比率が上位の大株主になる。米国の巨大企業が日本のスタートアップに出資を決めた背景にあるのは生成AIの開発競争の激化。生成AIはおととし、米国のオープンAIがChatGPTを公開し、活用が急速に広がっている。こうした動きにGAFAM(Google、アップル、メタ、アマゾン、マイクロソフト)と呼ばれる巨大IT企業も参入。マイクロソフトがオープンAIに、Googleとアマゾンがスタートアップのアンソロピックにそれぞれ出資するなど先行して開発を進める新興企業の囲い込みが活発化している。