プラスチックゴミによる海洋汚染が世界的な問題となる中、タイでは海につながる川に着目しAI(人工知能)を使った全自動型のごみ回収船が始動。タイで3月から稼働しているオランダ生まれのごみ回収船「インターセプター」。タイ政府が立ち上げた海洋プラスチックゴミ削減プロジェクトの目玉として取り入れられた。プラスチックゴミが川からベルトコンベヤーで次々と引き上げられる。タイは世界でも上位の海洋プラスチックゴミ排出国で改善が急務。これまで回収作業は手作業が中心。ゴミのある場所も現地で探していたが「インターセプター」は、橋に設置されたAIを搭載したカメラで割り出したプラスチックゴミが多く集まる場所で集中的に稼働。この船だけで1日、約600kgを回収できるようになり効率は格段に上がった。船では電力もソーラーパネルで生み出し、フル充電で約48時間動くことができる。幅の狭い川に対応したタイプなどもあり、タイ以外でも7か国で活躍中。今後世界中の1000本の川に導入する目標が立てられている。タイでは別の船も川のプラスチックゴミの回収に当たっている。タイを代表する河川チャオプラヤ川沿いにある寺院は、5年前からプラスチックゴミを僧侶が身にまとう袈裟に生まれ変わらせるプロジェクトに取り組んでいる。以前は地元の住民らが持ち込むものを利用していたが、さらにゴミの削減に貢献したいという思いから、先月、太陽光を動力にするこの自動ごみ回収船「HIPOPO」の導入を決めた。ワットチャークデーン寺院・プラマハプラノム僧侶は「海洋汚染は緊急で取り組まねばならない、世界的に重大な問題」と語った。