尾崎豊の「十七歳の地図」の秘蔵資料がある。当時の印刷用指定紙の資料が残っていたが縦36センチ、横66センチのケント紙には田島の脳内に浮かんだイメージを具体的に記した設計図が。細かな情景と、祈るような思いが書き込まれていた。PHはフォトの指示で、このジャケットに使用されている色はデジタルで着色したのではなく、写真の一部を切り取って使用されている。実際に使用されたものは、山の稜線と夕景のコントラストはジャンプする尾崎の背景に。さらにブルーやグレーのコントラストは尾崎自身が映る写真からそれぞれ使用されている。こうした指示のもと作られたのがジャケット。朝でもなく、夜でもなく夕暮れという自然の色は完成が豊かな17歳の尾崎にそれがふさわしいと感じたという。