この時期、北海道・帯広市を含む十勝地方はスケートが盛んな地域で、中でもスピードスケートはこれまで数多くのトップレベルの選手を輩出してきたスピードスケート王国として知られている。そうした環境を支える手厚い指導の現場を取材した。帯広市では、十勝の中学生のクラブチームに100人が所属する。指導するのはかつて全国大会や国際大会で活躍した元選手たち。中心メンバーの川田知範さんは、2003年W杯男子100m初代王者。川田さんは「大事にしたいところ、変わらないところは伝え続けていかないといけないと思う」などと話す。川田さんが重視するのは、陸上トレーニング。短距離種目のキャプテンを務める水口翔介さんは、練習場所の帯広から30キロ余離れた更別村から週5日蓮宗に通っている。3年前から川田さんのチームに所属し陸上でのトレーニングを続けてきた。スケートのフォームの姿勢がよくなったと語る。川田さんの指導を受け始めて以降、2年連続で全国大会に出場し、1000m種目は1年でタイムが3秒以上短縮した。川田さんは、「スケートが好きだという子を増やしていくのがいちばんではないかなと思う」と述べた。