石川県能美市に輪島市から避難してきた古原秀樹さんは腕利きの職人でもある。古原さんはある日、輪島の自宅を訪れた。古原さんのいた地域は震災で孤立、救助されたのは5日後だったという。全壊認定を受けて住めなくなったという自宅、さらに自宅内の工房はものが散乱していた。輪島で生まれ育った古原さんだが「もう戻ってくることはない」と語った。1人の輪島塗食人が輪島を去った。その数日後、古込さんは夫人と一緒に自宅の片付けを行なっていた。この日、移動の車の中で古込さんが作品展のために忙しく、生活再建が後回しになっていることに奥さんの幸子さんは不満を口にした。そんな古込さんに作品展が決定したという知らせが入る。古込さんは輪島を去った古原さんに協力を仰いだ。さらに職人たちはこの作品展をPRするためにインスタライブで自分たちの気持ちを伝えていく。インスタライブには応援コメントも多く寄せられたという。作品展前日、古込さんたちは600点の漆器を展示していく。そこに古原さんも駆けつけてくれた。古原さんは古込さんたちとの再開に元気をもらったとし「ここから再出発」だと語ってくれた。作品展は翌日に迫っていた。