夫の勝利を祈る元レースクイーンの妻。競輪界最高峰のレース「KEIRINグランプリ」。参加できるのは9選手のみ、今年のGIレース優勝者と賞金獲得額の上位者。その出場権をかけ、熾烈な戦いが繰り広げられたのが11月に行われた競輪祭GI。競輪祭前の賞金ランキング10位、KEIRINグランプリ出場権獲得へ負けられない戦いに挑んだのが深谷知広(34歳)。静岡にある深谷の自宅。3歳の娘と妻・麻貴さんの3人暮らし。夫婦の出会いは5年前、脇本選手の奥さんが共通の知り合いで、その紹介で会った。麻貴さんは元レースクイーンでモデル。深谷は子どもが認識して記憶に残る時に強い選手でいたいと話した。麻貴さんは完走して怪我なく帰ってきてもらうことが一番だと話した。翌日、決戦の舞台「小倉競馬場(福岡県)」へ。優勝するか上位で入賞して賞金を稼がなければならない。6日間かけて優勝を争う競輪祭。深谷は2日目の予選から出場、1着・3着の成績で二次予選に進んだ。準決勝進出をかけた大事なレースの日、深谷の自宅では麻貴さんと娘の2人きり。深谷は出発前の取材で家を出たら100%競輪に集中できる環境を作ってもらえているから心強いと話した。麻貴さんの誕生日には花束が届く。無口だけど優しさはすごくあるという。一緒にいる時間は短いが、夫婦の思いはつながっている。4着以内が準決勝進出。深谷は1着でゴールし準決勝に進出。翌日、準決勝の日。3着以内に入れば決勝進出。しかし、途中で転倒してしまった。1時間後、身体は大丈夫だと連絡があった。娘はパパの無事を知り、大興奮。それから12日後、深谷はレースに出場。KEIRINグランプリ出場は叶わなかったが、復帰初戦で見事1着。来年こそ、KEIRINグランプリで勝利する。