シャープがEV(電気自動車)の試作モデル「LDK+」を発表。車内には、65インチの大型ディスプレイのほか、180度回転できる座席や可動式のテーブルなどが備えられている。コンセプトは、リビングルームの拡張空間。EVの基礎となる車体は、シャープの親会社、台湾の鴻海精密工業製を採用した。ただEVを巡る競争は熾烈。ソニーなどの異業種が参入する一方、ドイツの老舗自動車メーカー、フォルクスワーゲンは世界市場の減速を受けて、本国で初めて工場の閉鎖を検討している。こうしたなか、シャープは家電で培った技術で競争に打ち勝つ狙い。大阪府八尾市にあるシャープの事業所では、LDK+の開発会議が行われていた。室内の家電と車を通信で繋ぎ、リビングルームの拡張空間を演出するアイディアを出し合っていた。家電メーカーのシャープが力を入れるのは、走行中ではなく、駐車中のEVが発揮する価値。シャープは今後、客や取引先からの意見を交えつつ、数年後の販売を目指す。