「やさしいことばニュース」制作現場に密着。担当しているのは様々な現場で取材を行ってきた記者と話し言葉のプロ・アナウンサーを務めてきた経験豊富なスタッフ。やさしいことばニュースでは1日に4本のニュースを選んで放送している。ラインナップはその日に伝えるべき重要なニュースや日本で暮らす外国人に知ってほしい情報など。選んだニュースの内容やポイントを担当者と共有する。この日のニュースの1つは大リーグの大谷翔平選手がMVPを受賞したというもの。まずは通常のニュース原稿を独自に開発中のシステムで読み込む。システムは過去の原稿をもとに少し簡単な言葉にして表示する。さらに日本語の難易度によって単語ごとに色分け。赤や茶は固有名詞を含む難しい言葉。一方で青や緑は比較的優しい言葉。こうしたシステムを活用しながらもできることはわずか。あくまで参考程度だそう。普段当たり前に使う言葉にも頭を悩ませる。例えば「達成」。難しいことを示す茶色で表示されている。こんな時は言葉の意味を改めて調べてみる。使うのは子供向けの辞書。1つ1つの言葉に向き合い、より良い言い換えを探っていく。さらに言い換えに悩んだ箇所について話し合う。優しい表現を目指して時には外国人に日本語を教える専門家に意見を聞くことも。そして実際に取材に当たった部署に原稿の確認を依頼。優しい言葉に置き換えることで事実関係に間違いが生じていないか確認してもらう。続いて実際にニュースを読む上田キャスターが原稿をチェック。話し言葉として自然か、耳で聞いて分かりやすい言葉になっているかを確認する。やり取りを経て原稿が完成した。編集責任者は「誰にでも分かりやすい”やさしいニュース”を目指していきたい」と話した。