問題の出品はあとを絶たなかった。山田和弘は「拡散のスピードは全く想像していなかった」などと話した。100人を超えるスタッフが24時間大勢で現金の出品を削除。ところが今度はチャージ済みのICCカードが出回った。1万円札を折ってオブジェとして出品する愉快犯も出現した。山田は全社員に向け、謝罪のメールを送った。AIなどを導入し監視と本人確認を強化していった。一方、アメリカ市場は苦戦していた。石塚と富島はアプリの使い勝手を徹底的に調査した。山田進太郎は川島優志に連絡し凄いビジネスマンを紹介してほしいと頼んだ。川島はジョン・ラーゲリンの名前を上げた。ジョン・ラーゲリンはスウェーデン出身だが、子どものころスーパーファミコンで遊び大の日本びいき。当時はフェイスブック社の幹部を務めていた。山田はジョンに会い応援してほしいと口説いた。ジョンはかつてNTTドコモに入社。iモードの海外展開を担ったが会社は共通企画を作れず、失敗。市場はアメリカから来たスマートフォンに奪われてしまった。アメリカでの成功をジョンに託し、石塚と富島はトップから身を引いた。ジョンは売るためのアプリだと広告を絞り込んだ。さらに売るのは簡単だと物流会社で梱包を代行するサービスも開始した。CMでも勝負を懸けた。半年後3000万ダウンロードを突破。様々な品が市場を巡り始めた。2020年、1億ドルを突破、翌年四半期黒字も記録した。その後、アメリカの事業は再び壁にぶつかり挑戦はいまなお続いている。